2009年09月23日

那須高原 御用邸チーズケーキ

佐藤君には世の中に出た時に
何でも1人で出来る様に、学校の勉強以外の事を色々やらせる様にしている。
先日、新聞を見ていたら、栃木県特集のページが有った。
色々なメーカーの栃木の名産品のプレゼントコーナーを見つけた。
「 そうだ。佐藤君はハガキを自分で書いた事が余り無いのではなかったか?
年賀状以外にも必要に応じてパッパッとハガキが書ける様に練習させておこう。
難しいのは宛名のスペース配分だと思う。
普段郵便物の宛名を書き慣れていないと、てこずってしまう事だろう。
丁度、五峰館のチーズケーキもプレゼント・コーナーに載っていた。
五峰館のチーズケーキと言ったら、
「 那須高原 御用邸チーズケーキ 」として、つとに有名である。
ニヘドンが五峰館の名を知ったのは、約15年前の事である。
当時ツアーコンダクターをしていたニヘドンは、日光への日帰りバスツアーの時に同僚の添乗員から話しを聞いた。
「 ねぇ。五峰館のチーズケーキ食べた事ある? 御用邸チーズケーキ、すんごく美味しいんだよ! 」

添乗員の世界は厳しい。
添乗ランクで、きっちり身分制度が出来上がっている。
勿論、自分のランクで日当も異なって来る。
そのランクは、基本的には添乗日数で決められるが、後は、アンケート評価や、大口顧客からのご指名頻度や、ツアー企画担当者から気に入られるかと言った要素が複雑に絡む。
ランクが高いと、ツアー価格の高いツアーに優先的に乗せて貰える。
価格が高いツアーは、新幹線がグリーン車だったり、宿が高級旅館だったり、食事が有名レストランや高級ホテルだったりする。
当時、ランクが低く、どのツアーに添乗しても御用邸チーズケーキなんかにはお目に掛かれなかったニヘドンは、思った。
「 きっと、きっといつかニヘドンだって 那須高原 御用邸チーズケーキを食べてみせる!」
しかし予期せぬ妊娠によって添乗員生命を絶たれたニヘドンは、その後、那須高原 御用邸チーズケーキとはまるで縁の無い生活に入った。


「 ねぇ。ねぇ。佐藤君。佐藤君。
チーズケーキ食べてみたくなあい?
だったら頑張って懸賞ハガキを書いてご覧よ。」
そういう時だけは妙にきっちりと書く佐藤君は、ニヘドンが広告の裏紙に書いた見本を見ながら、20分も時間を掛けて1枚のハガキを書き上げた。
ニヘドンは早速、近くのポストに投函に行った。

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

宅配便が来た。
何だろう?
開けてみると、五峰館の御用邸チーズケーキだった。
うぎゃ〜♪
当たった! 本当に当たった!
佐藤君が純真無垢な心で20分も掛けて書き上げたハガキだから、当たりそうな気がすると思ったが、まさか本当に当たるとは!?

ニヘドンは懸賞運の良い佐藤君に頭を下げた。
勿論、佐藤君のハガキを選んでくれた五峰館さんの方角にも頭を下げるのを忘れなかった。
送られて来た 那須高原 御用邸チーズケーキの写真がこれ!

  

Posted by ニヘドン at 01:22Comments(0)ケーキ